ピコレーザー
ピコレーザーは、1秒のわずか1兆分の1という超短パルス幅で照射するレーザーです。これまで、シミ・そばかす・肝斑治療に使用されてきたQスイッチレーザーのパルス幅が「ナノ秒(10億分の1秒)」と最も短い時間で発振される機器でしたが、ピコレーザーは、その1000分の1の時間である「ピコ秒(1兆分の1秒)」という非常に短い時間で照射することが可能です。これにより、例えるなら「岩」のような塊となっていたメラニン色素を、Qスイッチレーザーが熱作用により「小石」のようにバラバラに分解するのに対して、ピコレーザーは、衝撃波によるエネルギーで一瞬にして「砂」「粉末状」の微粒子レベルまで粉砕します。その後、細かく粉砕された色素は、貪食細胞と呼ばれる白血球の一種に食べられて、体の代謝によってリンパ管を通して体外へと排出されます。照射時間が極めて短いことで、熱発生がほとんどなく、痛みや皮膚へのダメージ(照射後の赤み・黒ずみ)が最小限に抑えられます。ピコトーニング、ピコフラクショナルの2つのモードを適切に使い分けることで肝斑・くすみ・ニキビ跡(色素沈着)・毛穴・小ジワなど、様々なニーズに応え、肌全体のコンディションを引き上げます。
ピコトーニング
波長1064㎚のNd:YAGレーザーを顔全体に低出力で複数回照射します。メラニン色素を少しずつ分解・排出していき、薄いしみやお肌全体のくすみ、肝斑を改善し、明るくクリアな美肌に変えていきます。自宅でのケアとしてシナールやトラネキサム酸の内服をレーザー治療とセットで行うと効果的です。
ピコフラクショナル
従来のフラクショナルレーザーでは赤みやかさぶたといったダウンタイムが大きいことがデメリットでした。ピコフラクショナルは衝撃波により肌表面を傷つけることなく表皮や真皮に作用することで、痛みやダウンタイムが少なく治療を行うことが可能です。肌のハリ・ニキビ・ニキビ跡・毛穴・小じわの改善などを行いたい方におすすめです。
フラクショナルダブル
通常のピコフラクショナルに加え、ニキビが気になる部分にさらに集中的に照射を行います。これにより刺激を受けた皮脂腺が収縮し、過剰な皮脂分泌が抑制されることでニキビの治療に効果を発揮します。
トーニングフラクショナル
通常のピコトーニングに加え、毛穴やニキビが気になる箇所にピコフラクショナルを重ねて照射します。スキントーン・毛穴・ニキビどちらも気になる方におすすめです。
【治療回数】個人差はありますが5〜10回継続して行うことで効果を実感しやすくなります
【治療間隔】3週間
【所要時間】30分〜1時間程度
【副作用・リスク】
- 治療中、照射部位にパチパチとした痛みや入浴後のような火照りを感じることがあります。
- 治療後、1〜2日間程度赤みや軽い膨疹、火傷、水膨れを生じたり、照射した部分に一時的に瘡蓋ができることがあります。また、痒みや吹き出物、点状出血を生じることがございます。
- レーザーの刺激によりしみや肝斑が濃くなったり、白く抜ける白斑を生じることがございます。
【施術後の生活について】
- 当日はシャワー浴のみとし、入浴やサウナ、激しい運動、飲酒などはお控えください。
- レーザー治療後は肌が乾燥しやすくなります。十分な保湿を心がけてください。
- レーザー治療後は紫外線の影響を受けやすくなります。日焼けは色素沈着の原因となるため紫外線対策を十分に行ってください。
- 治療の前後1週間はピーリングやレチノール、レチノイン酸や拭き取りコスメ等の刺激の強いスキンケアの使用をお控えください。
- ニキビ薬(べピオゲル・エピデュオゲル・ディフェリン等)は赤みが落ち着いてから使用再開してください。
【治療をお受けいただけない方】
- 施術部位に極度の日焼けをされている方
- 重大な皮膚疾患がある方
- 妊娠中または授乳中の方
- ケロイド体質、光線過敏症の方
- 重度の糖尿病
- 施術部位に金属類(プレートや金の糸)の埋め込みがある方
毛穴の引き締めにハイドラピーリング、レーザー後の鎮静・保湿・美白にエレクトロポレーション との組み合わせもおすすめです。また、治療中のホームケアとして美白内服(シナール¥1,100、トランサミン¥3,000 それぞれ28日分)も取り扱っております。